こんにちは!
junonoです。

今回はフランスの東ピレネーでみた、大自然や人が作ったアートを紹介します。

まずは大自然が時間をかけて刻んだ奇岩や土柱群、イル・シュル・テットにある天然の彫刻「妖精の煙突」。

続いて、そこから車か電車で45分程で、スペイン国境の地中海の海辺にある街コリウール。

多くのアーティストが住んでいて、芸術家たちにとても愛されている街です。

アンリ・マティスとアンドレ・ドランはこの街を訪れ、鮮やかな光と色に溢れる景色に触発されて、その画風が劇的に変化します。

目に映る色彩で描いた伝統的な写実主義とは全く違った、心が感じる色彩を描いたフォーヴィスム(野獣派)が生まれた街として知られています。

綺麗な小石のビーチもあって、天然石のモザイクのように見えた海の底もみれました。

それでは、東ピレネーへ。

「妖精の煙突」 大自然が削った奇岩・土柱群


「妖精の煙突」
イル・シュル・テットにある奇岩や土柱群はそう呼ばれています。

英語で同様の土柱群は、Hoodoosという呼称も使われていて、それを直訳すると疫病神。

奇景ゆえに、どちらも納得の呼称です。

ちなみにここのものは「女性の髪型」という二つ名もあります。


何百万年もかけて、砂と粘土が風雨で削られたのだそうです。
大自然の彫刻アートですね。

地層も色が違って、ミルフィーユのような縞模様。

トップの地層が残る部分は煙突のようにみえます。

トゲトゲになっている部分は、かなり尖っていました。

いつ崩れてもおかしくないように見える箇所も。


背景にピレネー山脈が聳える景色もみれました。

続いて、コリウールへ。

「コリウール」画家たちが愛するカラフルな地中海の街

コリウールの街は、ピレネー山脈の麓にあって、目の前は地中海。
フランスですが、すぐ南はスペイン。

紀元前からある長い歴史のある街で、さまざまな王朝下の時代がありました。

ローマ時代の城跡に、マヨルカ王国の夏の離宮として13世紀に建設された要塞のコリウール王城もありました。

オレンジの瓦屋根の街並みと、歴史を感じるお城のコントラスト。

カラフルな街中



街に入ると、鮮やかなカラーに。
お花や草木とお家が見事にマッチ。

人が作った日常生活に溶け込んでいるアートですね。


アートギャラリーやアートスタジオはもちろん、さまざまなブティックもありました。


コリウールの凄いところは、街中が絵のように美しい風景であることと、絵そのものが街に溶け込んでいること。


いま立っている場所の景色を描いた作品のパネル掲示も時折みかけます。

これは、マティスですね。

絵と同じ風景を撮影しようとしましたが、フレームに収まりませんでした…

画家のお気に入りスポット


海岸沿いには灯台と鐘楼が兼用だったノートルダム・デザンジュ教会とカラフルな建物があって、多くの画家たちが描いています。

たとえば、





「コリウールの海岸」1878年
アドルフ・アッピアン

写実している感じです。



「コリウールの風景」1887年
ポール・シニャック(印象派)




「コリウールの灯台」1905年
フォーヴィスムの発端者、アンドレ・ドランが描いたものはパネルが掲示されていました。




「コリウールの灯台」1912年
アルベール・マルケ(ゆるめのフォーヴィスム)

街中のギャラリーでは今の時代のアーティストがそれぞれの作風で描いた絵が売っていました。


絵に描かれていて以前砂浜にあったらしい帆船は、お隣のハーバーにありました。
これもカラフルですね。

小石のビーチ



もう一つの砦、サンテルム要塞をバックにした街中の小さなビーチ。

砂ではなく、小石のビーチでした。

この日の地中海はクリスタルのように透き通っていました。

水面は太陽の光でキラキラ。
海底は天然石がザクザク。

半透明、白、黄色、オレンジ、赤、茶、グレー、黒といった実にさまざまな色があって、まるで大自然が海の底に描いたモザイクのようでした。

大自然が作るものも、人が作るものも、大きいものも、小さいものも、みんなそれぞれ美しいです。

それでは、また次回に!