こんにちは!
junonoです。
今回はネイティブ・アメリカンとターコイズの文化について紹介します。
ネイティブ・アメリカンとは、アメリカ先住民のことで、別名アメリカン・インディアンとも呼ばれています。
ネイティブ・アメリカンはもともとは広大なアメリカ大陸に点在していて、異なる部族も多くいます。
ヨーロッパ人がアメリカに入植してきてから、ネイティブ・アメリカンの同化政策が行われて、その文化が大きく変化しました。
アイヌやチベットなどと似たような感じですね。
それでもネイティブ・アメリカンは、何らかのかたちで自分たちの文化を受け継ごうと努力をしているようです。
まずは、ネイティブ・アメリカンのターコイズ石の伝説から紹介します。
ネイティブ・アメリカンのターコイズ伝承
ネイティブ・アメリカンの間では、部族ごとにいろいろなターコイズの伝承があるようです。
アメリカ先住民ヘリテージ財団によると、ネイティブ・アメリカンは雨が降ると踊って喜んだのだそう。
彼らの喜びの涙は雨と混ざり、母なる地球に染み込み、ターコイズ石に。
地球に隠された「落ちた空の石」であるターコイズ。
英語で別名スカイストーンと呼ばれているのはそのような伝説があるかららしいです。
ちなみにズニ族の言葉でターコイズ石は「スカイストーン」と呼ばれます。
その昔、誰かが灰色の岩に透き通った青い線が走っているのに気づき、石の中に空と水のイメージを見出したのだそう。
それ以来、ターコイズは何よりも大切にされてきたそうです。
祝福の石であり、幸運、保護、健康、長寿を象徴。
ネイティブ・アメリカンにとって、ターコイズ石はファッションの流行とは全く関係なく、金よりも貴重で、文化を永続的に表現しているのだそうです。
インディアン芸術文化博物館によると、ターコイズ色は威信と権力を保持する意味をもつとのこと。
ネイティブアメリカンの神々は武器を持ち、ターコイズの家に住んでいるのだそうです。
アメリカ先住民のターコイズ文化
インディアン芸術文化博物館によると、アメリカ南西部で200ほどの鉱山が発見されていて、そのほとんどがネイティブ・アメリカンによって採掘が始められたと考えられています。
形を整えた石のハンマーや斧などを使って、岩からターコイズを削り出していたとのこと。
アメリカ南西部の部族は、災いから守るお守りとしてや、宝飾、儀式のためにターコイズを1000年以上にわたって使用。
地域内外でターコイズ石を取引してきたそうです。
宝飾品としては、ネックレス、ブレスレット、ベルト、指輪、イヤリングなど。
物々交換で支払う文化だったため、お金の代わりにターコイズで支払うこともあったとのこと。
ネイティブ・インディアンは白人がやってくるまではお金というものがなく、1500年以上もの間、物々交換がうまく機能してきたそうです。
これは現代のズニ族が作ったイヤリング。
こちらの画像は、1898年トランスミシシッピ博覧会で出品された作品。
アパッチ族の女性二人を撮影した白黒写真に手塗りで色付けをした貴重なものです。
ターコイズと思われる何連ものビーズのネックレスを身に付けています。
ネイティブ・アメリカンは古代から現代に至るまで、ターコイズの色を表現しようと努めていて、場合によっては、素材以上に色が重要な意味を持っていたようです。
石が入手できない場合など、別の素材を使っています。
こちらは、チムシアン族の頭の中央に飾るフロントレット。
装いで最も重要な要素の一つ。
ターコイズ色はアワビ貝殻で表現。
ネイティブ・アメリカンの文化に影響を受けた作品
入植してきた大半の白人や子孫は、ネイティブ・アメリカンを野蛮人とみなしていたそうです。
彼らを虐げたり、その文化を軽蔑したりした歴史が残っています。
一方で、ネイティブ・アメリカンの文化に美を見出した人たちも。
ティファニーのデザイナー G.P.ファーナム氏は、ネイティブ アメリカンアートの美しさを称えるために、手作りで銀製の花瓶を制作。
1900年に発表された作品。
ナバホ族の陶器のデザインからインスピレーションを得たものです。
アメリカ産のターコイズ色のアマゾナイトや青みがかったオパール。
そして「トウモロコシの穂軸」デザインに埋め込まれた何百もの淡水真珠。
いろいろな素材でターコイズ色が表現されていて興味深いです。
アメリカ先住民の現在と文化
英ガーディアンの記事によると、現在はアメリカ先住民の8割が先住民居住区外に住んで普通に暮らしているとのこと。
先住民居住区は大陸に点在していて、例えばグランドキャニオンやモニュメントバレーといったような場所にあります。
先住民居住区にいるネイティブ・アメリカンたちは、カジノを経営したり、民芸品を作って売ったりするなどして暮らしているようです。
ターコイズのアクセサリーの民芸品。
ネイティブ・アメリカンの文化は現代においては引き継ぐのがなかなか難しく、試行錯誤をしているらしいです。
文化イベントで伝統的なパオワオの踊りを披露するアメリカン・インディアン。
新旧の友と繋がり、経験を共有して踊ります。
勇敢な戦士が身につける見事な羽飾りと、ターコイズ石のピアスを付けていますね。
ネイティブ・アメリカンの祖母らしき女性と孫。
民芸品を作る技を伝授しているようです。
孫はターコイズ石のネックレス、ブレスレット、指輪を、祖母はピアスとネックレスを身に付けています。
ネックレスはビーズのシンプルな一連。
服装はベルトや髪飾りなど、ネイティブ・アメリカンのデザインを取り入れたもの。
そういえば、私がアメリカ南西部で通学していた時にお世話になったバスの運転手さんはナバホ族の方でした。
その方は、大きなターコイズ石のついた指輪とペンダントをいつも身に付けていました。
きっと思い入れのあるものだったのでしょう。
時代は移り、環境は変わる。
それでも、ネイティブ・アメリカンの人々は伝統的な文化やターコイズ石を大切にしているようですね。
以上、ネイティブ・アメリカンとターコイズの文化について紹介しました。
それではまた、次回に!